ゆるく生きてます

%3 自分の自分による自分のための備忘録(中)

 

前回のつづきです。

ciliegio-0416.hatenablog.com

 

海外歴13年、日本語しか喋れません

 

なぜ、帰国枠で受験をしたくなかったか?

理由は単純です。

 

わたしにとって、帰国生であることはずっとコンプレックスだったから。

 

帰国子女というと、必ず聞かれるのがこの質問。

「英語喋れるの?喋ってみてよ!」

 そして、そのたびにわたしが口にしなければいけなかった言葉。

日本人学校に通ってたから全然しゃべれないよ......」

 

この瞬間が本当に苦痛でした。

 

帰国子女というだけで英語がしゃべれるだろうというイメージをつけられます。

でも実際のわたしは英語なんてほとんどしゃべれない。

かろうじでリスニングが少し得意なくらいでした。

 

みんなの期待は次第にプレッシャーに感じられるようになりました。

何よりも嫌だったのが、「日本人学校に通っていたこと」を言い訳にしてしまう自分。

 

英語が好きで努力をした結果、しゃべれるようになった人は日本人学校にもいました。

つまり、わたしが英語を喋れないのは環境のせいなんかじゃない。

ただの努力不足です。

それを言い訳のように使ってしまう自分が情けなくて仕方ありませんでした。

 

日本人学校だから苦労がない?

 

また、同じ帰国生から厳しい言葉が投げかけられることもありました。

 

日本人学校で楽してたんだから」

 

この言葉を放った彼女は、わたしと違って現地校に通っていました。

 

じつは、いまでも定期的に会うほど仲の良い親友です。

だからこそ、彼女が経験してきた苦労も想像ができます。

言葉が通じないなか、孤独を感じたときもあったでしょう。

言語を会得するのには並大抵ならぬ努力が必要だったはずです。

 

そう、彼女には彼女なりの、プライドがありました。

それゆえに出てきてしまった言葉だったのかもしれません。

 

驚きました。こんなふうに思われてるんだ、と悲しくもなりました。 

このときがたぶん、ずっと抱え込んできたコンプレックスが爆発した瞬間でした。

 

13年間も海外に住んでいたのに、わたしはなにも得られなかったのかな。

もったいないことをしてしまったのかな。

インターか現地校にでも通えばよかったのだろうか......。

 

しばらくはそんな考えがぐるぐると頭の中を渦巻いていました。

しかし、同時に怒りも湧いてきたのです。

 

なぜ、帰国生だからって英語が喋れないといけないの?

日本人学校での日々はとても楽しいものだったし、充実もしていた。

通っていたことを後悔なんてしたくないし、否定もしたくない!!

 

それに、なんの考えもなしに日本人学校へ通っていたわけではありません。

小学校に入学するとき、現地校へ行くという選択肢も存在はしていました。

でも、いずれは日本に戻ることがわかっていた両親は、そのときにわたしが苦労をしないようにと日本人学校を選んでくれたのです。

日本人なのだから、ちゃんと日本語を学んでほしい。

その両親の決断は決して間違いなんかじゃないと、わたしは思いたかった。

 

怒りは次第に悔しさへと変わっていきました。

「絶対に帰国枠では受験しない!」

もはや意地を張っていたといってもいいでしょう。

 

都立高を目指し、実力だけで高校に入学するんだ!とわたしは燃えました。

 

 

 

 

しかし実際は、なんと帰国枠で入学することになります。

(それゆえにしばらく引きずることになる、この帰国子女コンプレックス......)

 

 

つづきます。

 

ながい!!

 

 

ちゃんちゃん。